フォーラム96号
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知財研フォーラム 2014  Spirng Vol.97
特集 経営における知的財産を取り巻く環境
■2014年5月発刊
■定価 2,000円(税込、送料研究所負担)
■年間購読料 8,000円(税込、送料研究所負担)
フォーラム97号 目次(縮小画像) 目次PDF
 経済のグローバル化や新興国市場の拡大に伴い、日本企業においては、グローバルに事業を展開し、従来の日米欧の先進国における権利取得に加え中国や韓国、新興国における積極的な権利取得を目指す知財活動が活発化してきております。
 弊所は、一昨年度より特許庁から「知的財産国際権利化戦略推進事業」(本事業)を受託し、日本企業の国際競争力を強化するための知財戦略の在り方や、当該事業の調査・分析結果等の報告書をまとめております。
 そこで、この度発行致します「知財研フォーラム」第97号(春号)では、「経営における知的財産を取り巻く環境」と題する特集を組み、日本企業の知財関係者をはじめとする読者の皆様に戦略的な知財戦略の強化の重要性が啓発できるような内容と致しました。
 第97号(春号)の各論稿は、本事業に支援頂きご執筆いただいた有識者の方々による論稿に新たな内容を取り入れて加筆をしていただいたものです。
Contents
巻頭言
実原 幾雄 (Ikuo Jitsuhara) 〔新日鐵住金株式会社 参与 知的財産部長〕
【特集】経営における知的財産を取り巻く環境
4 知財と経営
― 知財戦略の具体化は経営トップの責任 ―
  中村 嘉秀 (Yoshihide Nakamura)  〔アルダージ株式会社 代表取締役社長〕
開発戦略、知財戦略、事業戦略は三位一体と言われるが、その実態は実におぼつかない。これを実のあるものにすることこそ日本の競争力復活の鍵を握る。それができるのは事業の総合プロデューサー、すなわち経営 トップである。本稿では、いかに経営トップしかその任になく、その器の大小が事業の成否を握るか、そしてなぜ経営に資する知財のみが価値を持つかを論じる。
7 企業における知的財産部門の在り方
 
石川 文夫 (Fumio Ishikawa)  〔一般財団法人 知的財産研究所 統括研究員〕
企業経営を支える事業における知的財産及び知的財産権の重要性とその役割及びその組織の在り方について現状を推察し考察・提案を行った。本稿は、あくまで筆者の私見的な立場からの考察であるが、少しでも企業の方々に参考になれば幸甚である。
15 技術情報の流出とその対応策について
  宍戸 一樹 (Kazuki Shishido) 〔弁護士法人瓜生・糸賀法律事務所 パートナー弁護士〕
昨今の熾烈なグローバルな競争に晒される日本企業においては、市場開拓や技術開発の要請に応えるのみならず、自社の営業秘密(技術情報)を適切に保護することがもはや死活問題であると言ってよい。本稿では、現状において日本企業によって実務上講じられている営業秘密の保護措置について、その有効性の検証を行うとともに、今後さらに講じるべき保護措置につき、諸外国の法制にも触れつつ検討を行いたい。
22 米国における特許主張団体(パテント・トロール)を対象とした近年の法的措置及び裁判手段
 
ディビッド・E・ケイス (David E. Case) 〔Orrick, Herrington & Sutcliffe LLP パートナー弁護士〕
ジェイ・A・ユラタ・Jr(Jay A. Jurata, Jr) 〔Orrick, Herrington & Sutcliffe LLP パートナー弁護士〕
51 学術研究機関技術移転、知的財産の原則、及び日本に関する考察
 
ジェームス・S・デグロウ (James S. DeGraw) 〔ROPES & GRAY法律事務所 パートナー弁護士〕
59 最新の中国特許情報及び日本特許実務とのいくつかの相違点
― 注目されている登録後の補正、分割出願及びPPH制度について ―
 
劉 新宇 (Linda Liu) 〔北京林達劉知識産権代理事務所 所長 弁理士〕
  ここ数年、中国特許実務には、著しい変化が見られている。本稿では、最新の中国特許情報を紹介したうえ、日本企業に注目されている登録後の補正、分割出願及びPPH 制度について、ご参考までにご紹介申し上げる。
【寄稿・連載】
65 判例研究⑬
前訴において争われた構成要件の解釈を再び後訴において争うことの可否
― 知的財産高等裁判所平成25年12月19日判決(平成24年(ネ)第10054号)―
 
山内 貴博(Takahiro Yamauchi) 〔長島・大野・常松法律事務所 弁護士・弁理士〕
岡田 紘明(Hiroaki Okada) 〔長島・大野・常松法律事務所 弁護士〕
特許権者である原告が被告に対し被疑侵害物件の使用差止を求めて前訴を提起し敗訴した後に、当該敗訴判決の確定後に製造された類似の被疑侵害物件の販売による損害の賠償を求めて被告に対し後訴を提起した。原審は、後訴の提起自体が訴権の濫用に当たり却下されるとまではしなかったものの、構成要件Bの解釈について前訴と同様の主張をすること及び前訴で主張することができた均等侵害の主張をする点においては、前訴の蒸し返しであり、訴訟上の信義則に反し許さ れないとして請求を棄却した。控訴審である本判決は、訴え却下はせず、構成要件の解釈に関する原告の主張も排斥した点では原審と同じであるが、均等侵害の主張についてはこれを許した。特許権侵害訴訟において、訴訟上の信義則による訴訟行為の規律がどのように働くべきかを示したという点で、重要な意義を有する。
72 北アフリカの知的財産法制について ― モロッコ特許法を中心として ―
 
広瀬 元康(Motoyasu Hirose) 〔弁護士法人 瓜生・糸賀法律事務所 弁護士〕
北アフリカのマグレブ諸国は、歴史的背景からフランスをはじめ欧州企業の進出が多い一方で、日本企業にはいまだよく知られていない魅力的な投資先であろう。本稿では、アフリカの中でも 制度面で近代化が大きく進んだモロッコにおける特許権を中心とした知的財産に関する法制や実務上の主な問題点を、フランス法と比較しつつ概観する。
80 韓国改正・判例紹介⑦
選択発明における進歩性の判断基準としての効果の異質性及び顕著性
 
金容甲 (Yong-Gab Kim) 〔金・張法律事務所 弁護士(韓国)〕
崔昇宰(Sung-Jai Choi) 〔金・張法律事務所 弁護士(韓国)〕
   87 第80回ワシントン便り
  諸岡 健一 (Kenichi Morooka) 〔(一財)知的財産研究所 ワシントン事務所 所長〕
   92 知財研NEWS

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