知財研フォーラム

フォーラム76号

知財研フォーラム 2009 Winter Vol.76

2009年2月発行
在庫なし

Contents
巻頭言
金井 誠太(かねい せいた) 〔マツダ株式会社 取締役専務執行役員〕
【特集】技術情報保護の在り方
2 営業秘密の適正な管理に向けた制度的対応の在り方
  中原 裕彦(なかはら ひろひこ) 〔経済産業省経済産業政策局 知的財産政策室 室長〕
 平成21年2月16日、知的財産政策室では「営業秘密に係る刑事的措置の見直しの方向性について」と題する報告書を公表し、現在の営業秘密保護制度の更なる充実化に向けた方向性を示したところである。そこで、本稿では平成19年より約1年半かけて営業秘密の適切な保護に資する制度設計とは如何なるものか検討を行ってきた経緯や課題、解決策等の具体的議論について振り返り、その内容についてご紹介したい。
8 技術情報と企業活動
  齋藤 憲道(さいとう のりみち) 〔パナソニック株式会社 法務本部 顧問〕
 企業において技術情報は市場競争力の源泉になる重要な財産である。しかし、秘密として管理していた情報が外部に流出して被害を受ける例が後を絶たず、外国並みの法的保護を求める声が大きくなっている。本稿は、新技術・生産性向上技術等の技術情報の評価・取扱い・流出などを考察した上で、国の規制や法的保護制度の変遷、および企業の管理実務の要点をまとめたものである。
16 凸版印刷における情報管理及びその戦略
  舩山 邦彦(ふなやま くにひこ) 〔凸版印刷株式会社 法務本部コンプライアンス部長〕
 日々様々な情報を処理加工する当社にあって、取引先から提供を受けた営業秘密を適正に管理することは業務の基本である。また、自ら創出した技術的情報を営業秘密として管理することも、自社の競争力を確保する上で同じく重要である。したがって営業秘密管理は、これらの観点から非常に重要な経営課題になっている。そこで、情報管理の社会的動向を踏まえつつ、当社における情報管理の取り組み及びその戦略について解説する。
【寄稿】
21 国際的特許制度を巡る議論の現状
-途上国の主張を中心として-
  宮本 智子(みやもと ともこ) 〔世界知的所有権機関(WIPO) 特許部 特許法課 課長〕
 国際的な特許制度のハーモナイゼーションが望まれる一方で、各国の多様性に配慮したイノベーション促進メカニズムが模索されている。本稿では主に途上国の主張からWIPOにおける実体特許法条約案及び開発アジェンダの議論を検証する。
31 裁判例にみる知的財産権紛争の国際裁判管轄と準拠法
  申 美穂(しん みほ) 〔前京都大学助手/財団法人知的財産研究所 平成19年度特別研究員〕
 近年、国際的な要素を含む知的財産権紛争が増加している。しかしながら、知的財産権紛争の国際裁判管轄と準拠法について定める明文規定はわが国には存在しておらず、これらに関するルールはそのほとんどが判例により構築されている。本稿は、知的財産権紛争の国際裁判管轄と準拠法について言及する従来の裁判例の整理・分析を通じて、これらの問題につき現在のところわが国がいかなる法状況にあるのかを概観するものである。
42 米国の特許権消尽論 : Quanta判決の示すもの
  大江 修子(おおえ ながこ)〔TMl総合法律事務所 弁護士〕
岡田 誠(おかだ まこと)〔TMl総合法律事務所 弁護士〕
 QUANTA COMPUTER, INC., ET AL., PETITIONERSv. LG ELECTRONICS, INC., 553 U. S.(2008)(合衆国最高裁判所2008年6月9日判決)の紹介とその解説
53 特許適格性が争われた連邦控訴裁判所大法廷判決について
-ln re Bilski,545 F.3d 943,(Fed.Cir.2008)(en banc)の紹介と解説-
  南 宏輔(みなみ こうすけ) 〔特許庁 審判官〕
 合衆国連邦巡回控訴裁判所は、2008年10月30日、いわゆるビジネス方法に関連する発明の特許出願の特許適格性をめぐってその判断が注目されたビルスキ事件について大法廷による判決を出した。本稿では、ビルスキ判決の法廷意見、及び同意意見、反対意見の概要を紹介するとともに、残された課題、および我が国の実務、判決との対比において、若干の考察を述べる。
63 特許の品質のメカニズムを理解する
  R.ポーク・ワーグナー 〔ペンシルバニア大学 教授〕
【連載】
80 著作権と文学者-5
アンデルセンと国際間の著作権保護
  園田 暁子(そのだ あきこ) 〔中京大学 国際教養学部 准教授〕
   85 第59回ワシントン便り
  中槇 利明(なかまき としあき) 〔(財)知的財産研究所 ワシントン事務所 所長〕
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